第6話 『史上最悪の敵!鴉山兄弟の訪問』

登場キャラクター
緋色椎名/結咲奈々/赤羽優梨/沖隼太/姫崎翼/月城戒
城阪光/影山千紘/蕪木真白/乱獅子夢乃/栗山奏/久屋智


キャラ 台詞
   
沖隼太 「まったく……まだ怪我も治ってないのに、なんで俺を行かすのかね…」
赤羽優梨 「今日の朝、新しく転校生が来ることになってんの!悪いけど、船場まで迎えに行ってくれない?返事は、聞いてない!」
沖隼太 「ふぅ…第5話の感動は何処(いずこ)に…だな」
   
沖隼太 「ん…ウチの制服だ。ってことは、あれが転校生か。」
鴉山彰伸 「……フ」
沖隼太 「やぁ、ようこそ瓜生島へ。俺は式ヶ原学園の沖だ。君たちが転校生の鴉山くんかい?」
鴉山浩彦 「ええ…そう、僕らが」
沖隼太 「う……!?」
鴉山彰伸 「鴉山兄弟…そう、式ヶ原学園を潰しに来たものだ」
   
月城戒 「第6話『史上最悪の敵!鴉山兄弟の訪問』」
   
緋色椎名 「ふあぁ〜…ようやく一時限目が終わりか…」
久屋智 「緋色さ〜ん!」
緋色椎名 「ん?久屋か。珍しいな、ウチのクラスになんか用か?」
久屋智 「珍しいって…音声には出てきてないですけど、コマの隅っことかに結構出てるんですよっ!」
緋色椎名 「コマって…漫画じゃないんだから、そんな事言っても誰も気づかないと思うがな」
久屋智 「ああ、そんな事よりビッグニュースですよ!」
緋色椎名 「なんだ?犬の五つ子でも生まれたのか?」
久屋智 「それは昨日ですよ!」
緋色椎名 「ってぇ!生まれたんかい!」
久屋智 「もう!話題を変えないでください!今日、転校生が来るんですよ!」
緋色椎名 「なんだ…ビッグニュースっていうからもっとデカイ事態を期待したんだがな。ここも『一応』学校なんだから、転校生くらい来るだろ」
久屋智 「その転校生が問題なんですよ…!本州では名の知られた問題児なんです!」
緋色椎名 「ふーん。で?どんくらい問題な奴なんだ?」
久屋智 「鴉山兄弟と言って、色々な学校に乗り込んでは生徒全員を病院送りにするような奴らです……!」
緋色椎名 「な、なんだと?…おいおい、そんな奴らがなんでこんな島に」
久屋智 「本当のことです。現に今日、兄弟を迎えに行った沖先輩が重傷で発見されました」
緋色椎名 「沖さんが!?……そりゃあ、ビッグニュースだな…」
久屋智 「はい、ですから」
蕪木真白 「椎名くーーーーん!!」
久屋智 「ぎょぼ!!」
   
蕪木真白 「ねぇ!今日、転校生が来るんだって!」
緋色椎名 「ああ、今あんたがブッ飛ばした久屋から聞いたばかりだ」
蕪木真白 「そんでさ!沖くんが重傷を負って五つ子を生んだんだって!」
緋色椎名 「ああ、それも…って!五つ子を生んだのは犬だろ!しかも昨日!!」
蕪木真白 「あらら、そうだったかな。まぁ、兎に角!君も気をつけなよ!んじゃねー!」
   
緋色椎名 「ったく、なんだってんだ…ありゃ…?」
久屋智 「蕪木先輩…酷い、です……」
   
不良生徒 「ぐあっ!!」
月城戒 「何故逃げる?今まで好き勝手に振舞っておきながら、都合が悪くなったら逃げるのか」
不良生徒 「ま、まいった…ゆ、許してくれ…!」
月城戒 「謝罪など意味がない。お前は犯した罪を償うしかない」
不良生徒 「く、くそぉ……」
月城戒 「…こちらは片付いた。次の現場に移動する」
   
姫崎翼 「あ、あの月城くん…」
月城戒 「姫崎…どうした?」
姫崎翼 「お、お疲れ様…良かったら、コレ…どうぞ」
月城戒 「…悪いが、まだ仕事が残っている。後にしてくれ」
姫崎翼 「あ、あのでも…!」
月城戒 「くどいぞ!…それと、もう予鈴が鳴る時間だ。君も早く教室に戻れ」
姫崎翼 「…っ!」
   
城阪光 「……戒。どういうつもりだ?」
月城戒 「…城阪か。どうした」
城阪光 「本気で言ってんのか!?」
月城戒 「何を言っている?」
城阪光 「翼は…翼はなぁ……!」
月城戒 「悪いがお前と話している時間はない」
   
城阪光 「くそっ……何をやってるんだ、俺は……!」
   
教師 「それでですね。ここの公式は…」
赤羽優梨 「椎名くん!いるー!?」
緋色椎名 「ぶふう!なんだなんだ!?今は授業中だぞ!!」
赤羽優梨 「キーンコーンカーンコーン。ほい、授業終わり」
緋色椎名 「はぁっ!?何言ってんだあんた!」
教師 「はい、じゃあ授業終わりまーす」
赤羽優梨 「ほら、これでいいでしょ?早く来なさいっ」
緋色椎名 「はぁ!?んな横暴なぁー!」
   
緋色椎名 「で?」
影山千紘 「鴉山彰伸。鴉山浩彦。通称、鴉山兄弟の行方は現在もつかめていません」
赤羽優梨 「うん。そうなんだよねー。しかも隼太も大怪我しちゃって病院で寝てるし」
結咲奈々 「それで…随分人数が少ないですけど……他の皆さんは…?」
影山千紘 「現在月城さんは、不良生徒の制裁中です。城阪さんと姫崎さんはわかりません」
赤羽優梨 「なぁんか嫌な予感がするんだよね…椎名くんと奈々ちゃんも、くれぐれも一人にならないようにね」
結咲奈々 「姫崎先輩…大丈夫かな…?」
   
鴉山浩彦 「こんにちわぁ」
月城戒 「なんだ、お前らは」
鴉山彰伸 「お前が、月城か?学園政府の」
月城戒 「……だったら?」
鴉山浩彦 「悪いけど、消えてもらおうかと思ってね」
月城戒 「くだらん冗談だ。…いいだろう、かかって来い」
鴉山彰伸 「ぬぅん!!」
月城戒 「…この程度か?」
鴉山彰伸 「何ッ!?」
月城戒 「城阪の拳に比べれば、全く腰が入っていない!」
鴉山彰伸 「ぐおお……!!」
鴉山浩彦 「んの野郎ッ!!」
月城戒 「……それで本気か?」
鴉山浩彦 「…っ!う、うごかねぇ…!」
月城戒 「ふん…消えろ、雑魚が」
鴉山浩彦 「…っ、く、くそっ!」
月城戒 「なんだ、あいつらは…?」
   
鴉山浩彦 「くそっ!何なんだよ、あいつは!!」
鴉山彰伸 「俺たちよりも強い奴がいるとはな…正直、計算外だ」
鴉山浩彦 「どうするよ、兄貴…」
鴉山彰伸 「ふふふ、心配するな。どんな奴にも弱点はあるものだ…」
   
姫崎翼 「……」
城阪光 「…翼、ここにいたのか」
姫崎翼 「光くん、どうしてここに?」
城阪光 「自分じゃ気づいてないかも知れないけどよ、お前…困ったことあったらいつもここに来てたろ」
姫崎翼 「え…そ、そうだったかな…よく見てるんだね、光くん」
城阪光 「あ、ああ…まぁ翼とは付き合い長いしな」
姫崎翼 「ねえ…月城くんって、私のこと嫌いなのかな…?」
城阪光 「は!?んなわけないだろ。なんでそう思うんだ?」
姫崎翼 「私のこと、あまり相手にしてくれないし…なんだか、鬱陶しく思われている気がして…」
城阪光 「違うよ」
姫崎翼 「え…?」
城阪光 「戒は首相の事、尊敬してるからな…首相からの指令をこなしたいだけなんだと思うぜ」
姫崎翼 「ありがとう…光くん」
城阪光 「…どういたしまして。翼は…戒のこと、その…好き……なのか?」
姫崎翼 「ふえぇっ!!?ど、どうして!?」
城阪光 「…やっぱり、そうなんだな……どこで会ったんだっけ、初めて」
姫崎翼 「……入学式の時ね、恐い人に絡まれちゃったの。だけど、月城くんが助けてくれたんだ」
城阪光 「へっ…あいつらしいな」
姫崎翼 「それを見てた優梨さんが、月城くんを政府に勧誘して…私も……」
城阪光 「そっか。諦めんなよ、俺は翼を応援してるからさ」
姫崎翼 「うん、ありがとう。私、頑張ってみる」
城阪光 「これでいいんだ、きっと……翼が幸せなら、俺は……」
   
栗山奏 「ほいよ、例の兄弟の写真、入手してきたぜ」
影山千紘 「早いですね。しかも、こんなにはっきりとした顔写真を手に入れてくるとは…」
栗山奏 「はっはっ、俺も報道部の一員だからね!その気になればこれくらい朝飯前さっ」
赤羽優梨 「うっはー、悪そうな面してるねぇ〜」
結咲奈々 「それにしても、なんでこの人たちはウチに来たんでしょう?」
乱獅子夢乃 「学園政府…それが目的かと思われます」
栗山奏 「どういうこと、夢乃ちゃん?」
乱獅子夢乃 「この鴉山兄弟は、幼い頃から暴力で人を屈服させる事を快楽にしてきたような人たちです。
それが、ここ式ヶ原学園なら学園ごと手に入るのです」
赤羽優梨 「なっるほどねぇ〜。まぁ、他にも理由がありそうなものだけどね」
結咲奈々 「…?なんですか、他の理由って?」
赤羽優梨 「…さぁ、なんだろねーっ」
緋色椎名 「なんだよ、意味深な事言って…兎に角。さっさと片付けてもらわんと困るぞ」
乱獅子夢乃 「そうですね…先日の殺人犯よりは可愛いものですが、一般の生徒に何かあっては遅いですから」
影山千紘 「ふむ、こういうのは月城さんと城阪さんの担当なのですが…」
栗山奏 「ふう、仕方ないね。俺がひとっ走り探しにいってくるよ」
赤羽優梨 「うん、お願いねー」
栗山奏 「あいよっ」
   
緋色椎名 「…うーん、なんつーか、嫌な予感がするんだよなぁ……」
   
月城戒 「姫崎」
姫崎翼 「月城くん…あの、ちょっといいかな?」
月城戒 「授業はどうした」
姫崎翼 「話を…聞いて」
月城戒 「教室に戻れ」
姫崎翼 「話を聞いて!!」
月城戒 「……なんだ」
姫崎翼 「月城くんには…大切な人が、いますか?」
月城戒 「……お前には、いるのか」
姫崎翼 「います。優梨さんや沖さん、学園政府のみんな…報道部のみんな…」
姫崎翼 「そして、月城くん。あなたが」
月城戒 「……お、れ?」
城阪光 「翼、お前なら大丈夫だよ…幸せに、な」
姫崎翼 「覚えていますか…入学式のことを」
月城戒 「……ああ」
姫崎翼 「あの時、あなたは私を助けてくれた」
月城戒 「あの時、俺はお前を助けた」
姫崎翼 「その時から私…ずっと、あなたを見ていました…ずっとずっと、見ていました」
月城戒 「……」
姫崎翼 「何をしててもあなたの事が頭から離れなくて、忘れられなくて…」
月城戒 「単純だな」
姫崎翼 「……えっ?」
月城戒 「俺は別に、お前だから助けたわけじゃない。感謝の気持ちを恋だと勘違いしているだけだ」
姫崎翼 「そ、そんな……!」
月城戒 「話は終わりだ。…教室に戻れ」
姫崎翼 「…う、うぅぅ……馬鹿ッ!!」
   
月城戒 「……これでいい。姫崎、お前には俺なんかじゃないもっと良い奴がいるさ…」
   
赤羽優梨 「おっ、お帰り戒くんっ♪」
月城戒 「…どうしたんですか?今はまだ授業中では?」
影山千紘 「それが……」
   
月城戒 「まさか…さっきの奴らがその兄弟だったとは…」
緋色椎名 「でも、簡単に倒しちまったんでしょ?なら大丈夫じゃないんすか?」
乱獅子夢乃 「いえ…油断は出来ませんよ。彼らが何を仕掛けてくるかわかりませんから」
月城戒 「心配はいらん。今度こそ俺が制裁する」
   
姫崎翼 「馬鹿…馬鹿…馬鹿馬鹿馬鹿ぁ……!」
鴉山浩彦 「馬鹿って言う奴が馬鹿なんですよ〜」
姫崎翼 「……え…?」
鴉山浩彦 「こんにちわぁ♪」
   
結咲奈々 「それにしても…帰ってきませんね、栗山先輩…」
赤羽優梨 「うーん、確かに。まぁた可愛い子見つけてナンパでもしてんじゃないでしょうねー?」
影山千紘 「有り得ますね、見境がないですから」
   
緋色椎名 「な、なんだぁ!?」
月城戒 「まさか…!」
結咲奈々 「月城先輩!」
   
鴉山彰伸 「ふ…来たか」
月城戒 「やはり貴様らか。どうやらさっきのでは仕置きが足りなかったようだな」
鴉山彰伸 「威勢が良いのは結構だが…あれを見ても同じことが言えるか?」
月城戒 「…?ひ、姫崎!!」
鴉山浩彦 「どうもぉ。今度は人質連れてきちゃいましたぁ♪」
姫崎翼 「つ、月城くん…みんな……」
赤羽優梨 「コォラ!私の可愛い翼ちゃんに何をしてんだ!」
緋色椎名 「私物化すんな。あんたのじゃないから」
鴉山彰伸 「何、話は簡単だ。お前は今から黙って俺に殴られる。それだけだ」
鴉山浩彦 「抵抗すれば…まぁ、言わずもがなってとこだな」
影山千紘 「ナイフまで持ち出してくるとは…首元に突きつけられていては、どうしようもありません」
月城戒 「……毒蟲が」
鴉山彰伸 「ああ、最高の褒め言葉をありがと、ウッ!!」
月城戒 「うぐっ!がはっ、がはっ……!」
鴉山彰伸 「ほらほら!!さっきまでの勢いはどうした!?」
月城戒 「ぐっ!…がっ!…うぐっ!」
姫崎翼 「月城くん!私のことはいいから!!」
月城戒 「無理だよ、姫崎……」
赤羽優梨 「もう十分だろ!やめなさいッ!!」
月城戒 「出来るわけが無い……」
城阪光 「戒!!」
栗山奏 「ってぇ!もう始まってんじゃん!」
   
鴉山彰伸 「んー?どうした、もうおねんねか?」
月城戒 「……触るな、クズが」
鴉山彰伸 「…もういいわ。死ねよ」
結咲奈々 「姫崎先輩!!」
鴉山浩彦 「痛ッ!?な、後ろから!?」
影山千紘 「今だ、小手えぇぇぇぇぇーーー!!」
鴉山浩彦 「ち、ナイフが……!」
影山千紘 「さて…形勢逆転ですね」
月城戒 「姫崎…よかっ…た……」
城阪光 「戒!!…よく耐えたな。あとは、俺に任せろ」
鴉山彰伸 「ちっ……!こいつ!!」
城阪光 「おせぇよ!!」
   
影山千紘 「さすが城阪さんですね」
鴉山浩彦 「なめんなぁぁぁぁ!!」
赤羽優梨 「チェーーストォォォォ!!」
結咲奈々 「…首相さん」
赤羽優梨 「ナイスファイトだったぞ、奈々ちゃん♪」
   
姫崎翼 「月城くんっ!!」
月城戒 「無事…のようだな……」
姫崎翼 「無事じゃない!月城くんが無事じゃないよ!」
月城戒 「俺の事なんていい……きっと、さっき辛く当たってしまった罰だろう……」
姫崎翼 「そんな…こと……!」
月城戒 「少し…寝かせてくれ……」
城阪光 「辛く当たる…?おい、どういうことなんだ翼?」
姫崎翼 「それは……」
   
赤羽優梨 「戒くんはね、親がいないんだ」
緋色椎名 「親がいない?ってことは…」
赤羽優梨 「そ、孤児ってこと。島の西はずれに孤児院があるでしょ?あそこが戒くんの家なの」
栗山奏 「あそこの孤児院なら、二年ほど前に取材で行った事があるけど、月城いたかなぁ…?」
赤羽優梨 「ああ、その頃はいないよ。……少年院にいたからね」
城阪光 「少年院!?な、何かやらかしたんですか!?」
赤羽優梨 「孤児ってことで色々嫌な思いをしたんだろうね。補導経験も何度もあるそうだよ」
乱獅子夢乃 「もしかして、それで……」
姫崎翼 「月城くんは、それを気にしていたんだ……人に好かれる資格なんてないって…!」
緋色椎名 「だっせーの。人間、自分の気持ちに正直でなきゃ、な」
赤羽優梨 「さぁ!戒くんが起きたらパーティーでもやろうかねっ!」
緋色椎名 「こうして、学園政府の活躍により事件は解決した。だけどさ、みんな沖さんの事、忘れて、ないか?」
   
蕪木真白 「じっかいよこくぅぅぅ〜!!」
影山千紘 「蕪木さん、次回で最終回みたいですね」
蕪木真白 「なっ、なんだってぇーーー!!ちょっと早すぎるんじゃない!?」
影山千紘 「いや、本当に。困りましたね、まだ来年度の予算の件が終わってないのですが」
蕪木真白 「そんなのはアトアト!それより、私の拳に眠る13の物語について語らなければ…!」
影山千紘 「ああ、もう時間みたいですよ」
蕪木真白 「次回!黄金の拳!第3次真白拳法奪回作戦!!おぉ楽しみにっ!」
影山千紘 「…嘘ですので」