第1話 『これが我らの学園政府』

登場キャラクター
緋色椎名/結咲奈々/赤羽優梨/沖隼太/姫崎翼/月城戒
城阪光/影山千紘/蕪木真白/乱獅子夢乃/栗山奏

キャラ 台詞
緋色椎名 「温かい風が全身を吹きつける。…俺は、今日から高校生になった」
   
結咲奈々 「しーなっ!おはよっ♪」
緋色椎名 「おわっ!なんだよ奈々か…ったく、朝っぱらから元気なこって」
   
結咲奈々 「いやぁ〜、今日から私たちも高校生なんだよっ!なんだかワクワクしない?」
緋色椎名 「そうかぁ…?式ヶ原学園って言ったら内部情報を全て表に出さないようにしているってことで有名なんだぜ?…一体どんな所なんだか」
結咲奈々 「それが面白そうなんでしょ?この間お隣のお兄ちゃんに聞いたんだけど、『あそこは荒廃したところだ…』って言ってたよ」
緋色椎名 「…なんだぁ?ゆ、幽霊でも出んのか?」
結咲奈々 「大丈夫だよっ♪もし椎名が憑依されても、私がちゃんと成仏させてあげるからさっ」
緋色椎名 「ったく、ひでぇ奴だぜ」
   
結咲奈々 「第1話。『ここが我らの学園政府』」
   
緋色椎名 「…ここか。建物に目立った損傷はなさそうだが…」
結咲奈々 「そうだねー。もしかして、からかわれたのかなー?」
赤羽優梨 「おぉ、二色カラーとは珍しいねぇ♪」
   
緋色椎名 「あぁ?文句あんのか?」
結咲奈々 「椎名っ!駄目っ!」
   
緋色椎名 「…ぐっ!」
月城戒 「…首相に無礼な行為は許さん」
緋色椎名 「主将だぁ…?どこの部活の主将さんか知らねぇが、俺のことを物珍しそうに見るんじゃねぇ!」
赤羽優梨 「あっはははは、首相違いだね♪この子面白いわーっ♪」
緋色椎名 「ちっ…!馬鹿にしやがってぇぇ…!」
赤羽優梨 「戒くん、この子連行ねっ♪」
月城戒 「…解りました」
赤羽優梨 「よっし、じゃあゴーゴー♪」
   
結咲奈々 「なん…だったの、今の…?…っ!いけない、椎名を助けなきゃ!」
   
赤羽優梨 「ただいまーっ♪面白い子を拾ってきたぞー☆」
姫崎翼 「あ…お帰りなさい、優梨さん」
沖隼太 「拾ってきたって…お前のことだから、どうせ強制的に連れてきたんだろう」
赤羽優梨 「まぁまぁ、細かい事は気にするな。戒くん、離していいよん」
   
緋色椎名 「…っつぅ…!おい、ここはどこだ!」
姫崎翼 「ひゃっ!」
月城戒 「ここは式ヶ原学園政府の会議室だ」
緋色椎名 「学園政府…?なんだ、それ?」
   
影山千紘 「…首相、こちらにいらっしゃいましたか」
赤羽優梨 「お、ちーちゃんじゃない。どうかしたの?」
影山千紘 「もう始業式開始五分前です。早く体育館にお越しください」
姫崎翼 「あ…本当、もうこんな時間だったんだ」
影山千紘 「姫崎さん…あなたまで」
赤羽優梨 「あーはいはいはいっ!体育館にいくぞーっ!」
影山千紘 「首相、廊下は走らないでください」
赤羽優梨 「いや、でも時間が…ね?」
影山千紘 「廊下は走らないでください」
赤羽優梨 「ぐぬぬ……おーっし、早歩きだーっ!」
影山千紘 「それが賢明です」
月城戒 「姫崎、俺たちもいこう」
姫崎翼 「えっ!?う、うんっ!」
   
緋色椎名 「……んで、俺は放置かよ」
沖隼太 「ふう、すまないな新入生。いつもこんな感じでさ」
緋色椎名 「えっ、あの…あんたは?」
沖隼太 「俺は三年の沖隼太だ。…体育館、場所わからないだろ?案内するよ」
   
結咲奈々 「椎名っ!…よかったぁ〜、ようやく見つけたよ〜…」
   
緋色椎名 「奈々…お前、もしかして俺を探してたのか?」
結咲奈々 「当たり前でしょ〜……はぁ…あんな拉致現場を見て放っておけないでしょう?」
沖隼太 「優梨の奴…そのうち人攫いで捕まるぞ…」
結咲奈々 「えっと…そちらの方は?拉致側とは関係なさそうだけど」
沖隼太 「ああ、残念ながら拉致側の関係者で、三年の沖だ」
緋色椎名 「沖さん、早くしないと始業式が始まるんじゃないか?」
沖隼太 「おっと、いかんいかん。体育館はこっちだ、急ごう」
   
赤羽優梨 「黙れっ、小童どもぉ!!!」
   
赤羽優梨 「ほい、始めて」
蕪木真白 「はいっ、ただいまより式ヶ原学園始業式を行いまーすっ♪」
姫崎翼 「首相、挨拶」
   
赤羽優梨 「はーいっ、みなさんおはようございまーす!」
   
赤羽優梨 「おはようございまーすっ!!!」
生徒一同 「おはようございまーす!」
赤羽優梨 「うっしうっし。えー、この度は我が式ヶ原学園へのご入学、おめでとうございます。
ご存知の通り、この島には小学校、中学校は複数存在しますが、高校はこの学園しかありません」
緋色椎名 「なんであいつが挨拶してるんだ?校長とか理事長とかはどうしたんだよ?」
赤羽優梨 「そんでもって、まずはみなさんにお知らせをしておきます。この学園には理事長や校長、教頭などはいません」
   
赤羽優梨 「その代わり、一部の生徒による学園の統治が行われております。それが、学園政府です」
緋色椎名 「学園政府…!じゃあ、あいつらがこの学園を支配してるってことか…?」
赤羽優梨 「そして、その政府の代表…つまり首相がこの私、赤羽優梨です!よろしくね☆イェイ!」
   
蕪木真白 「はい、以上で首相挨拶は終了ですっ!えーっと、他にやることも特にないので始業式を終わりまーすっ」
姫崎翼 「それでは、1年1組から順番に退場してください」
   
結咲奈々 「ねえ、椎名…この学園、大丈夫なの…?」
緋色椎名 「俺に…聞くなよ…」
   
緋色椎名 「ふう…初日だけあって今日はすぐ帰れるな」
   
姫崎翼 「連絡です。1年4組の緋色椎名君は、今すぐ学園政府会議室に来てください。繰り返します―」
緋色椎名 「はぁっ!?なんで俺が!?」
男子生徒 「緋色ってあいつだよ…」
女子生徒 「私、同じ中学だったんだけど、あの人問題児だったんだよね…」
緋色椎名 「あんの首相ぉぉぉ…!」
   
緋色椎名 「おい、あの呼び出しはどういうつもりだ!っていうかなんで俺の名前知ってんだよ!」
赤羽優梨 「いやぁ、君にはまだ紹介してなかったよねーと思って」
月城戒 「さっきは乱暴にして悪かったな。俺は2年の月城戒だ。政府では暴力事件担当をしている」
緋色椎名 「えらく一部の担当なんだな…」
月城戒 「先ほど首相がお話された通り、この学園には大人が作ったルールは存在しない。故に、非行に走る生徒も少なくないということだ」
赤羽優梨 「あ、それと今日は休みだけど、この担当は戒くんの他にもう一人いるんだ」
   
城阪光 「おお、うまそーなシュークリームあるじゃんっ♪いただき…え、ちょっと、何?なんなんだお前?ああ、シュークリームが…!」
   
赤羽優梨 「この子が、城阪光君ね」
緋色椎名 「シュークリームは…どうなったんだ…」
姫崎翼 「あ、あの姫崎翼ですっ!書記をしてますっ」
影山千紘 「姫崎さん、学年が抜けています」
姫崎翼 「あっ…あう〜…に、2年生ですっ!」
影山千紘 「僕は、2年1組に在籍している影山千紘です。政府では会計を任されています」
沖隼太 「さっきも言ったけど、もう一回言っておくよ。俺は三年の沖隼太だ。担当は特務とは名ばかりの雑務をやっている」
赤羽優梨 「そして、この学園政府の首相…優しく言い換えれば支配者の赤羽優梨だよ、よろしくね♪」
   
蕪木真白 「どもーっ♪ユーリ様が面白い子見つけたって言ってたけど本当かーい?」
姫崎翼 「蕪木さん、もう機材の片付け終わったんですか?」
蕪木真白 「いんや、栗山くんに任せてきた」
沖隼太 「…栗山も苦労してんだなぁ…」
蕪木真白 「お、君だね、期待の新人君は?」
緋色椎名 「お、俺?何を期待してんのか知らないが、俺はあんたらに関わるつもりはないぞ」
月城戒 「もう遅い。首相は、お前を政府メンバーに入れることを決定された」
緋色椎名 「はぁっ!?冗談じゃねえ、俺は嫌だからな!」
影山千紘 「無駄です。断れば、こちらの報道部の方があなたの弱みを握り、島中に情報を開示します」
蕪木真白 「そそっ、そういうことなのさ♪この蕪木真白からは逃れられないんだぜ☆」
   
緋色椎名 「うわっ、何すんだ!眩しいだろうがっ!」
蕪木真白 「ふっふっふ…顔写真は手に入れさせてもらった。これで、もう君は終わりだ」
   
結咲奈々 「あのー、何なんですか、さっきから?」
栗山奏 「いやぁ、君みたいな可愛い子が一人で歩いているから、迷ってしまったのかと思ってさ」
結咲奈々 「あの、私学園政府に用事があるんです。だから…」
栗山奏 「ああ、それなら僕が案内するよ。僕も政府に用事があるしね」
   
結咲奈々 「ごめんくださーい…あ、椎名!やっぱり来てたんだ!」
緋色椎名 「奈々、お前また…」
蕪木真白 「ありゃ、栗山くんじゃない。機材の片付け終わったの?」
栗山奏 「えっ!?真白ちゃん…いたんだ、あははは…」
蕪木真白 「…その反応、まさかとは思うけど」
栗山奏 「あ、そ、そうだ!僕用事思い出しちゃった!と、いうわけでこの辺で失礼しまーすっ」
乱獅子夢乃 「あら?どこにいかれるんですか、栗山さん?」
栗山奏 「うげっ!ゆ、夢乃ちゃん…ドウシテココニ…?」
乱獅子夢乃 「あら?言わないとわかりませんか?」
蕪木真白 「やっぱりサボっちゃったんだねぇ。ふう、やれやれ…」
影山千紘 「ここは学園政府の会議室です。報道部のお話はここ以外でしてください」
乱獅子夢乃 「あ、そうですね。みなさん、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。さあ、行きましょうか」
   
赤羽優梨 「あっはは、相変わらず愉快な人たちだねぇ〜♪」
沖隼太 「うちも人のこと言えないと思うがな…まぁ、とりあえず話を戻そうか」
影山千紘 「そこのあなたは、緋色さんを探していらっしゃったのですか?」
結咲奈々 「あ、そうです!さっき呼び出しがあったから…」
赤羽優梨 「うんうん、仲睦まじいことで♪この際だから、君も政府に入れちゃおう!」
緋色椎名 「勝手に決めんなあぁぁぁ!!」
緋色椎名 「こうして、俺の高校生活は始まった。この学園政府がある限り、俺に安寧の時はないのだろう。…本当に、勘弁して欲しい…」
   
   
結咲奈々 「次回予告!」
姫崎翼 「はい、みなさんこんにちは。学園政府書記担当の姫崎翼です。今から第2話の予告をしたいと思います」
結咲奈々 「学園政府に、荒くれ者共が突如乱入!必死の抵抗むなしく、椎名は殺されてしまう!」
姫崎翼 「そこで、首相率いる政府軍は裏ルートで銃火器を購入。一気に反撃に出ます」
結咲奈々 「多くの死傷者を出しつつも、政府軍は勝利!その翌日には日本自衛隊からの演説の依頼!」
姫崎翼 「そこで首相は語りました…『戦いとは、いつもむなしいものである』…と!」
結咲奈々 「そんなわけで次回!『カラフルラリアット!愛と戦争の裏返し!』お楽しみに!」
   
結咲奈々 「…これ、本当にそうなるんですか?」
姫崎翼 「脚本は優梨さんだから、嘘だと思う…多分」